草刈りに塩は使って良いの?

草刈りや雑草刈りによく出ているワードが「塩」。
どこの家庭にも大体はある塩で除草ができるなら安いし簡単ですが本当に良いのでしょうか。

草抜き

結論から先に言うと止めておいた方が賢明です。

塩で除草することは可能です。
可能ですが、除草できるメリットよりデメリットの方が大きいのです。

塩で除草することは塩害を自ら引き起こすこと

2011年に発生した東日本大震災を知らないことは無いでしょう。
この震災で発生した津波による田畑への被害は約2.4万ha、 1ヘクタールが100m×100mの大きさを考えるとその大きさは脅威といえます。
そして2021年現在も津波のよる被害(塩害)によって作物を植えられない(育たない)地域 があります。
除草に塩を使うことは、これを局地的に発生させることになるのです。

塩が雑草を除草するプロセス

塩が雑草を除草するプロセスは、塩(塩化ナトリウム)が持つ浸透圧の効果で雑草から水分を抜きます。
同じようなことは家庭で漬物や塩漬けを作ることでも起きています。
浸透圧による効果なので同じことができる砂糖でも可能ですがしている人は見かけません。塩よりも大分非効率だからでしょうか。

塩が地面に与えるダメージ

砂糖ではなく塩が選ばれる理由は、土(地面)に残り続けるからです。
最初の方でも書いたように震災から10年経っても農業ができないのはコレのためです。
塩は自然分解されない物質で土の中に長期間存在します。
塩分濃度が高い間は雑草どころか植物全般が育ちません。これが塩害なのです。

他人に迷惑をかける

自分の庭だけで済むのでしたら自己責任で行うのは構いませんが、他人に迷惑を掛けてしまう可能性もあります。
塩は地中に分解されず残ると書きましたが、他の土地に流れていくこともあります。
雨です。 雨によって地中の塩がそのまま地下にいってくれるのなら塩害も引いていくのですが、そこまで水はけの良い土と庭を持っていることは稀です。
大体は水の流れていく川や海の方向に流れていくでしょう。
そこに住んでいる方がガーデニングや家庭菜園をしていたらどうしましょうか。
農家だったらその賠償金を払えますか?
住んでいる家は塀や道路で仕切られているかもしれませんが、土は仕切られてはいないのです。

家屋に迷惑をかける

塩でダメージを与えてしまうのは雑草(植物)だけではありません。
住んでいる周辺の建物にもダメージを与えます。
住んでいる建物の多くは鉄骨コンクリートだと思います。
このコンクリートは鉄骨が錆びないように守っているのですが塩害状態だとコンクリートが持つ不動態被膜が破壊され鉄骨が錆びてしまうのです。
これも自宅だけなら兎も角、周りにも被害がいってしまう場合があります。
土の中なので上下水道に被害が出てしまった場合はどうでしょうか。
自分だけでなく街全体に影響が出ます。被害の賠償どころではありませんその土地に住むことも出来なくなるでしょう。

土地の評価にダメージを与える

家屋の問題と似てはいますが、これは土地や建物を売却するときのダメージです。
例えば新築で100年耐用の自宅を20年後に次世代の子達が売却を考えた場合、建築から30年以内なので建物にもそれなりの価値を付加することができるのですが、塩で鉄筋コンクリートがダメージを受けていたら査定で大幅にマイナスをされます。
次の買主は土地の整備からしないといけないからです。
売らないにしても100年住めるはずの家が100年持たないのですから大きな損失になります。

もし塩を撒いてしまっていたら

安価に除草できるから撒いてしまった方もいるでしょう。
そのような場合、どうしたら良いのでしょうか。

リーチング

リーチングとは塩害が起きた場所に淡水をそそぐ(潅水)させて塩分を洗い流す除塩手法です。
懸念点としてもリーチングを行っても地下水に影響がでてしまうことがあることや、農業用の手法なので家の庭単位で何処まで出来るかです。

耐塩性植物を植えて塩分吸収

ヒマワリや綿花、トマトなどの塩に強い植物を植えて地中の塩分を吸い取って貰います。
上記のリーチングと違いコストは安価で済みます。
ただし、塩分濃度が高い状態ですとこれらの植物でも生育することが難しいのと時間が掛かります。

植物用の活性剤を使用する

塩害の問題は地中の塩が分解されないことであるので、それを活性剤で分解してしまう方法です。 やり方は活性剤の説明書通りに水で希釈して撒くだけです。問題点は活性剤を使うことで肥料になるのでまた草刈りや草むしりが必要になることです。

草刈りはプロにしてもらう

このように塩を使った除草はデメリットが大変多くオススメできるものではありません。
でも草刈りはしないと雑草が邪魔です。
そのような場合は専門業者に任せましょう。

場所による効果的な方法や飛散防止処理も知っていますし 装備を自分でそろえる必要もありません。
みんなの草刈り屋さん」では現地でご要望を聞いてから見積もり書をお作りします。
作業の前にはクレームにならないようにご近所への挨拶もしています。
ご自分で草刈りをするのが大変なときは是非お問い合わせください。
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